石田貴裕 アート制作journal

岩手で絵画制作しています。作品紹介と日々の出来事を綴って行きます。

studio EL-7 imitation march 2019 tableau part 1

 

f:id:impressionartworks:20190318222523j:plain

f:id:impressionartworks:20190318222430j:plain

【主な平面作品について、シルクスクリーン

ここ最近の平面作品の制作手法はシルクスクリーンと呼ばれる版画技法の手法を用いた作品が占める。

その作品の核となるシルクスクリーンとは何であるのか、というのは作品を考察していただける上で深く関わってくるので事細かに解説していきたいと思う。

シルクスクリーンとは、木やアルミの枠に細かい網状になった布(シルク)を貼り、紫外線を当てると硬化する液をそこへ均等に塗る。そして透明なフィルムに図像を黒色で描写若しくは印刷し、予め紫外線で硬化する液を塗ったシルクに重ね合わせることで紫外線は黒いところ以外に当たり固まり始めるのである。(焼付と呼ばれる作業で、太陽光に何分か当てる作業)黒いところの下にある硬化液は紫外線に当たらず、水に溶ける状態なので水で洗浄すると、固まった所以外は洗い流されてしまう。そうして出来たシルクスクリーンの版は固まって網が埋まった所と、洗い流されて網状に透けている部分と分離するのである。

つまりは硬化して網が詰まったところにインクは押し出されず、網状の所へと押し出されるのである。これがシルクスクリーン、孔版画とよばれる大まかな仕組みの説明である。

f:id:impressionartworks:20190319001134j:plain

f:id:impressionartworks:20190319001222j:plain

[Title]solidstate screenprint Vector Scan silver edit 1 [Medium]screenprint acrylic on canvas

[Size](H)800x(W)804x(D)35[Date]2019

 

シルクスクリーンの版は、写真を元に制作した図像を再現できるのである、
基本的に自分の作品のシルクの版は写真から生成したイメージとして創出している。

その写真は写真の中心にある個人的体験の記録から大きく外れた部分を採用して選出している。例えばaとbという写真があったとして、そのaとbという写真は、撮影された日にち、モチーフ、どれを取っても全く関係の無い写真同士を重ね合わせて作られている。関係の無いものを重ね合わせ、私見として自ら収集していた個人的写真のイメージをその状態とは全く違う状態へと転化させたモノとして捉えている。

そもそも誰かに公開する目的も無ければ、個人的であった写真がそれ同士を重ね合わせ元々の具体的なイメージの意味合いをさらに無くし、人物や具体的なモノが見え隠れ僅かにでも感覚に共鳴する部分に触れてくれれば絵画の図像として存在してる理由の一つになるのでは無いかと考えている。抽象的感覚の上に成り立っているものではなく、はっきりと何が写っているか分かるものを、不透明に近づけたいという欲求の現れでもあると感じている。

f:id:impressionartworks:20190319230609j:plain

f:id:impressionartworks:20190319230604j:plain

左[Title]Two Pictures3 [Medium]screenprint acrylic on canvas [Size](H)530x(W)370x(D)35[Date]2019

右[Title]Two Pictures2 [Medium]silkscreenacryliconpanel [Size](H)410x(W)568x(D)60 [Date]2018

 

 

作品に関する詳しい情報は下記メールアドレスにて問い合わせください。

impressionartworks@gmail.com

studio EL-7 imitation march 2019

f:id:impressionartworks:20190317201429j:plain

f:id:impressionartworks:20190317202654j:plain

f:id:impressionartworks:20190317202642j:plain

f:id:impressionartworks:20190317202651j:plain

 

【studio EL-7 imitation march 2019】

studio EL-7 imitationとは、石田貴裕のアトリエで制作と展示が同時並行で行われる状況を写真と解説文で構成していく、活動記録の名称である。

展示の全体の様子を含め、個々の作品の詳細も合わせて今後紹介していく。

 

【studio EL-7について】

作者本人が美術作品の制作と展示を目的として作ったアトリエの名称である。

白壁とスポットライトを備え、制作と同時に壁に掛け直ぐ様その状態を確認するために制作された。アトリエ名のEL-7の由来は、かつてSONYが販売していたエルカセットと呼ばれる磁気テープの音響機材の名称である。そのユニークな存在感と、自身が制作する状況を重ね合わせアトリエの名前にしたのである。以下Wikipediaよりエルカセットの詳細。

エルカセット(ELCASET)は、文庫本大(152mm×106mm×18mm)のカセットシェルに1/4インチ幅(6.3mm / オープンリールテープと同一)のテープを収め、コンパクトカセットの2倍の走行速度9.53 cm/s、A/B各面2チャンネルでアナログ磁気記録再生するための、カセットおよび録音再生装置(デッキ)の規格名である。

コンパクトカセットがあくまでも会話録音用の規格であったため、ハイファイオーディオ用途においてメーカー及び消費者側が性能や音質に疑問を抱いたことから、ハイファイオーディオに適合できる各種の新しいカセットテープ規格が提唱された。結果1976年に、「オープンリールの音を、カセットに。」という開発思想の下、ソニー松下電器産業(現・パナソニック)ティアック(TEAC)の3社が提唱し、実用化から一般市販に至った音声記録機器用規格である。主な商品は1976年6月以降、SONY EL-7を筆頭に規格提唱各社から発売された。発売当時は大変多くの期待を集めた規格の一つであったが、商品としては短命に終わった。

 

ja.wikipedia.org

studio改築

f:id:impressionartworks:20171224124548j:image

作業場の改築を突発的に始めた。

壁の上を板材で覆い、また壁を作る事で寒さをしのぐように改築中だ。

 

また同時に、単なる作業場という存在に終わらせないようにと考えて改築している。

一つは作品が最も理想的な状態である事を目指して、もう一つは空き物件でのホワイトキューブへの展開のモデルにする事の二つである。

 

f:id:impressionartworks:20171224124540j:image

いつも思い立った瞬間に後のことを考えず物事を始める癖があるが、やはりその時が一番楽しいと感じる。