石田貴裕 アート制作journal

岩手で絵画制作しています。作品紹介と日々の出来事を綴って行きます。

知らない農道

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Mint Green VE

oil on canvas board

(H)332x(W)241x(D)64mm

2016

 

知らない街を歩いてみたい……

それよりも知らない農道を歩いてみたい。

普段見慣れているに違いないが、全く初めて通る田舎道に何か擽られる気持ちになるのだ。

山の色は変わらない、だが自分の知らない山がそこにある。

木々の形は変わらない、だが自分の知らない森がそこにある。

知らない土地へ行きたい。

行っても何もないのは分かっていながら。

春に

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dot e

oil on canvas board

(H)458x(W)389x(D)68mm

2016

 

春にぐっと近づいた。

近づいたが、

丁度冬との一進一退で鬩ぎあう季節である。

山から下りる風がまだ冷たいので

日射しがあってもまだ寒い。

これが暖かくなれば春だと感じる。

そして雪が雨に変わる。

たどり着いたらいつも雨降り

冬の蝿

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梶井基次郎の小説を読むと

こう、長い時間布団に横たわった身体の

軋みが疼いてくるような気分になる。

病に伏すことで人を妙な境地にさせるのか、意外にもそれが純粋な思考であったりするのか、よく分からなくなってくる辺りが風邪をひいて横になっている心情とよく似ている。

そうか、自分だけでは無かったかと安堵する一方、やはり病的な思考に偏り過ぎていたと思い返し、また落ち込んでしまう。

落ち込んではまた新たに考えを巡らせる。

意識下に置かれた物に苦しめられているのではなくて、あまりにも今まで無頓着過ぎただけなのだ、これが自然なんだと考える今日この頃である。